MOT講座3他職種連携のためのコミュニケーションデザイン

平成31年1月23日 東京の日経カンフアレンスルームで行われた
東京工業大学 社会人アカデミー×日経ビジネススクールpresents MOTを知る特別講座2019
他職種連携のためのコミュニケーションデザイン
に参加してきました。

本日の講師は西條美紀先生で
疑心暗鬼を解消するということを中心に講義がありました。

目次

他職種連携のMOT
コミュニケーションとは
協調の原理とディスコミュニケーション
コミュニケーションデザイン
まとめ

他職種連携のMOT


技術経営とは、技術を事業に結びつけ、経済的・社会的価値を創出するマネジメントであり、
他職種の連携とは組織内外の複数の専門家が協力して目標に向かうことである。と考えると、
他職種連携のMOTとは
「特定の目的にむけた技術の事業化が複数の専門家の強力によって実現し、経済的・社会的価値を創出できるようにマネジメントすること」
ということができる。
他職種連携の第一歩は問題の可視化である。問題の可視化をしない限りは目標の設定はできない。
問題の可視化と目標の設定とは表裏一体の関係になっており、
1 問題の可視化
2 目標の設定
3 ターゲットユーザーの設定
4 技術のユーザビリティ評価
5 事業組織の検討
という道のりでマネジメントしていく。

コミュニケーションとは


コミュニケーションの基本構造は

・発話(発言)の意味は聞き手が決める
・意味や意義を話してと聞き手が共同で構築する

ここで大事なことは
発話の意味は聞き手が決めることであって、話し手が決めることではないということである。
これはコミュニケーションの基本構造であり、意味や意義を話し手と聞き手が共同で構築するのがコミュニケーションというものである。
このことからわかることは、話し手と聞き手がお互いに巻き込まれるというところがなければ、コミュニケーションというものは成立しない。
ということである。したがって文脈のないところに意味は発生せず、文脈は単一の発話だけでは成立しない。
ここで言う文脈とは発話を取り巻く状況すべてのことを言う。

導管メタファーとは、
「言葉という「入れ物」に意味という「中身」を詰め込み、それを管を通して受信者に送り、受信者は受け取った言葉の「入れ物」から「中身」の意味を引き出す」
というコミュニケーションの背後に想定される仕組みのことを言い、発信者の意図した意味内容が、導管を通るようにそのまま受信者に届くことを意味する。
しかしながら人それぞれにバックグラウンドが違うので、こういったことは人間同士の間では起こりえない。
通常のコミュニケーションは共同構築モデルと言って、
発信者が意図していない意味も受信者によって付与されうる(意味は受信者が規定する)。
双方向で意味や意義を調整・構築する。
このときに参照枠と文脈が重要になってくる。
参照枠とは個人の頭の中にあるバックグラウンドのことで、人が違えば変わってくる。
ここで重要なことは,

話し手が言ったこと(意図したこと)が聞き手の頭の中にそのまま届くことはないということであるので、聞いたことをいろいろな角度から検討したり、意図を相手に確認するなど意識的に理解に努めることが必要だということである。また話し手は意図したことがそのまま相手に伝わったと考えないことである。
つまり、コミュニケーションというものはうまく取れなくて当然であり、伝わることが稀であるという認識が必要である。なぜならそれは共同で構築するものであるからである。

協調の原理とディスコミュニケーション


グライスの会話の公準という考え方がある。
①量の公準
・求められる程度の情報を与えよ。
・求められる以上の情報を与えるな。
②質の公準
・偽りと思うことは言うな。
・適切な証拠がないことは言うな。
③関係性の公準
・関係のあることを言え。
④様態の公準
・はっきりとしない表現は使うな。
・どっちにも取れることは言うな。
・簡潔に言え。
・順序よく言え。
これを守ることにより会話というものはうまくいき、意思疎通ができる。
がしかし、これを全部守って会話をすることはできない。
そこで協調の原理(Cooperative Principle)というものに則って会話を行う。
協調の原理とは、会話参加者は会話の目的、あるいは一定の方向に向かってトークの交換をするものであるという考え方。
会話の目的が効率的な情報交換をする、人に影響を与える、人の行動を方向づける等である場合には、公準はよく適合する。
というふうに授業では定義されましたが、自分の中では
協調の原理とは会話を量、質、関連性、様態の4つの公理に分けて、自分の話すことが発話の時点でその会話の目的、方向によって求められているようなものであることと定義した、コミュニケーションの基本みたいなものである。
会話には含意(言外の意味)があるので公準が守られていなくても会話は成立する。
と理解した。

コミュニケーションデザイン


コミュニケーションデザインとは、何のために誰にどうなってほしいのか、誰に何をさせたいのか(誰と一緒にどうなりたいのか)を明確にし、そのための方法を考案して実行し、結果について考察して目的にフィードバックしていくことである。
これは文脈を共有しない間柄で協働の目的を構築することで問題を解決するサイクルのことで、下記の様なものがある。
目的(G):何のために
計画(P):誰にどうなって欲しいか、どうしたらそうなるか
実践(I):方法を考案して実行
考察(O);目的を達成できたか、次に何をするべきなのか
このGPIOサイクルを回していくことがコミュニケーションデザインということができる。

具体的には自己紹介を例にすると、
目的(G):何のために
計画(P):相手にどうなってもらいたいか、どう思ってもらいたいか
実践(I):何をいうか、どんなふうに言うか
考察(O);どんな反応で「できた」とするのか
というふうになる。
コミュニケーションというものは相手が発話の意味を決めるので、相手にどうなってもらいたいかということを考えることが意思疎通のために大事になる。

疑心暗鬼とは「疑心、暗鬼を生ず」の略で、疑心が起こると(有りもしない鬼の姿が見えるように)なんでもないことまで恐ろしくなる。疑心暗鬼を解消するにはコミュニケーションが大事であるが、ただ話せばいいというものでもない。
まずは問題を可視化して、分析をしてアーカイブする。そのアーカイブをアクセスできるところに公開することをセットとして考えることが重要である。
パワーバランスによって情報の非対称性があるが、情報の非対称性があると物事がうまくいかなくなる。情報が対称であるという状態はありえないが、非対称性を広げないという努力が大切である。情報の非対称性を広げないためには想像力を働かせることが重要である。何をどのように言うかということを整理して話すことによって、不満が解消されることもある。つまり情報の非対称性をなくすように努力し続けることが疑心暗鬼を解決する方法であるかもしれない。

まとめ


他職種連携のためには、問題の可視化の中から当事者が共通の目的を設定することが必要
問題の可視化のためには、コミュニケーションデザインという考え方と付箋紙法やコレスポンデンス分析といったスキルが大切
他職種連携によるMOTにはこの他に、ターゲットユーザーの設定や技術のユーザビリティ評価も必要

感想

この講義で学んだことは、言いたいことは伝わらないということである。
なので解決したい問題を可視化して、目的を共有することが大事だということである。

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